■会社概要
商号  株式会社赤ちゃん本舗
代表  代表取締役社長 味志 謙司
創業  1932年 4月 1日
設立  1941年 2月 27日
従業員数 3,768名 ※2023年10月現在
事業内容 マタニティ・ベビー・キッズ用品の小売業

取材日:2023年 10月 3日

100周年と共に子育て総合支援企業を目指していく


赤ちゃん用品ならなんでも揃うお店として創業から90年、昔も今も変わらぬ大切なものを守り、育みながら日本の子育てを支えてこられた株式会社赤ちゃん本舗さまの取り組みについて執行役員 サステナビリティ推進統括部長の岩永優美さまにお話を伺いました。

■SDGsアクションの取り組みのきっかけは?
SDGsと言われ出したのは2015年以降だと思いますが、弊社ではそれ以前よりCSRと呼ばれるような社会貢献活動を行っておりました。企業として子育てされている方をサポートするという使命感を持ち、まずは取り組み始めたのがきっかけです。その一例として、1985年頃に「赤ちゃん大学(現マタニティ―スクール)」を無料で開校しておりました。子育てはママだけでするものではなく、パパにも理解してもらいながら一緒に取り組んでいただきたいと考え、助産師と共にパパの育児参加を促すメッセージを発信していました。
また、2007年にセブン&アイ入りしたこともきっかけの一つです。それまでは三方よしの経営方針でしたが、グループ入りしたことにより様々な整備や改革を行って参りました。その一環として、弊社のことをよりよいイメージで広く知っていただくための活動策をプロジェクトで検討を進めました。
具体的には、オーガニックコットン等の環境に配慮した素材を使った商品の情報を発信したり、今はレジ袋有料は当たり前ですが、2009年頃、ご購入時に「袋は要りません」と仰った場合に値引きをさせていただく「エコ割引」の実施と共に、おむつが2パック入るサイズのエコバックの販売、パパになる方「プレパパ」に仕事帰りにお越しいただき、商品の説明やイベントを開催するプレパパナイトツアーの実施、世界の妊産婦と女性の命と健康を守るために活動している公益財団法人ジョイセフ(JOICEP)様と連携し、赤ちゃんの肌着、長下着、ロンパース等を回収してアフリカのザンビアへ届ける活動等、そういった小さな種を一つずつ考え、形にしていきました。

赤ちゃん本舗らしさを第一に考えると共に、店舗にお越しいただいたお客さまに一緒に取り組んでいただけるということが大きな強みだと考え、それを活かして出来る取り組みを検討して進めてきたのが最初の入り口です。まだSDGsと言われるずっと前のことですね。

本業を通じて課題解決していくことでSDGsの達成を目指す


■御社はSDGsに対してどのようなことに取り組んでいますか?
① SDGsロードマップ策定
6月が社内の環境月間ということもあり、SDGsの社内啓発は常に行っています。
弊社は2032年で創業100周年を迎えます。その100周年に向かってSDGsの達成を目指すと代表取締役社長の味志が宣言し、ロードマップを策定して社内で共有しています。
本業を通じて子育てに関わる社会課題を解決することで、企業価値の向上、そしてビジョンでもある子育て総合支援企業の実現に繋がると考えており、赤ちゃん本舗の経営戦略そのものがSDGsの達成に直結すると理解しています。

企業理念とリブランディング活動

② マタニティアドバイザー
お客さまの子育ての不安を解消することを目的に、マタニティアドバイザー資格制度を運用しております。出産が初めての方は、知らないものを購入することへの不安やストレスをお持ちの方もおられますので、商品をただ陳列するのではなく、お話をお聞きしながらしっかりと寄り添える人財の育成に取り組んでいます。
当資格はしっかりとした知識と対応力が備わっているかどうかを認定する資格で、いつご来店いただいてもきちんとご対応できるよう取り組んでいます。現在はほぼ全店舗に配置しています。

③ 赤ちゃんの日
赤ちゃんが生まれてくるまでの期間を十月十日(とつきとおか)と言いますが、それを記念して10月10日を「赤ちゃんの日」として制定しました。きっかけは「生まれてきてくれてありがとう」を伝えることと、子育てをしている人、していない人、子育てを卒業した人、皆んな含めた、社会全体で赤ちゃんのことを思う日にしたいと考えたからです。
“赤”は幸せの色、健康を願う色です。生まれてきてくれた感謝の気持ちをこめて、赤ちゃんの日には赤いネクタイや赤い靴下など、全従業員赤いアイテムを身に付け、健やかな成長を祈る活動も進めています。 弊社は赤ちゃんのいる暮らしをもっと知りつくし、お客さまの気持ちに寄り添って考えることを大切にしています。赤ちゃんの日はそのための取り組みの一つです。
赤いアイテム

④ハンガーのリサイクル
購入された際に、使用しているハンガーを全店舗で回収しリサイクルしています。日本コパック㈱様と一緒に取り組みを進めており、回収したハンガーは粉砕し溶かしてペレット化し、新たなハンガーなどの資源に生まれ変わっています。
プラスチックの廃棄量をいかに減らすかを意識して取り組んでいます。

⑤ ホワイトリボン活動
ホワイトリボンとは女性の健康と権利の大切さを伝える国際的なシンボルで、ジョイセフ様が推進している女性の命を守るために手を取り合う活動「ホワイトリボン活動」の趣旨に賛同し、全店で募金箱を設置し寄付を募る活動を行っています。ザンビアの僻地に住まれている方は病院までの距離が遠く、多くの妊産婦が自宅で分娩をせざるを得ない状況であり、また、病院に行けずに命を落としてしまう場合もあります。そこで産まれる数週間前にお産を待つための場所として、「マタニティハウス」に入ってもらい、安全に出産してもらうサポートをしています。そのマタニティハウス運営のために募金を寄付しています。
活動の一環から私たちの名刺にもホワイトリボンのマークを付けさせていただいてます。
ホワイトリボン

⑥古着 de ワクチン
衣料品を回収し、それをリユースできる形にして海外で販売することで、ポリオワクチンを必要とする世界の子どもたちに寄付する取り組みです。各ご家庭で参加される場合は衣類を送るための袋代が必要になりますが、弊社店舗にお持ちいただけると費用は弊社が負担させていただきますので、お客さまは無料で参加いただけるという仕組みです。店舗によっては袋がいっぱいになるくらいお持ち込みいただいたケースもありました。

⑦プレミアム補償
弊社でベビーカー、チャイルドシート、抱っこ紐、三輪車を購入いただくと、購入日から3年間、メーカー保証対象外の破損や損害でも補償させていただく「プレミアム補償」を無料で付帯させていただいております。これは「つくる責任つかう責任」達成に貢献しています。
プレミアム補償

■現在の取り組みはどのテーマに該当しますか?