■会社概要
商号  増見哲株式会社
代表  代表取締役 増見喜一朗
創業  1939年11月
設立  1952年1月
従業員数 77名
事業内容 服飾・繊維資材(ファスナー レース ボタン等)の卸売
     ホームウェア(かっぽうぎ、エプロン等)の企画・販売

■取材日:2020年11月30日

SDGsを意識したカタログ制作をきっかけに大手アパレルとビジネスがスタート!


服飾副資材の専門商社として、釦・レース・ファスナーから裏地・芯地まで取扱っておられる一方で、アパレルメーカーに販売している服飾資材を1個から購入できる直営店を展開されている増見哲株式会社さまの取り組みについて代表取締役の増見喜一朗さまにお話を伺いました。

■SDGsアクションの取り組みのきっかけは?
㈱ディープサンクス様の2017年の忘年会に参加した時に、盛和塾に参加されている方で地球にやさしいシャンプーを取り扱われている社長が参加されていました。最初は何を言っているのかと思っていましたが、SDGs関連の取材が入っていると聞きました。その時にSDGsを始めて知り、㈱ディープサンクス重延社長からこれからはSDGs、10年後に生き残る為には必要な取組であると言われたのがきっかけで意識をするようになりました。

■御社はSDGsに対してどのようなことに取り組んでいますか?
SDGsを意識して環境に優しい資材を集めた商品カタログを作成し、取引先に向けてプレゼンを行っています。そのおかげで大手アパレルメーカーにバイオマスのボタンを採用頂くことができました。早く取り組んだ事で大手アパレルメーカーとの接点が出来たと思います。現在も新しい商品作りに取り組んでおり、卵の殻や廃材などをボタン、ファスナー、バックル等に使えないかと、他社に依頼し開発をしていますが、強度、匂いなどが課題です。漁網を活用した商品も今後取扱いたいと思っています。
東京ニットファッション工業組合では「TOKYO KNIT」という組合員の商品を集めたブランドを作っていて、その商品に当社のSDGs対応の付属、ボタン、袋、ネーム等を使用していただいています。
また、障がい者就労継続支援事業所のあ~とはうす様と連携して、障がい者の方が作られたオリジナル商品を販売させていただいたり、木津川市加茂少年少女合唱団様の衣装用の生地を提供させていただいております。

SDGsを意識した商品カタログ
あ~とはうすの皆様が作られた商品
木津川市加茂少年少女合唱団様からの御礼の手紙

■環境、社会、経済の中での重点と考えているのは?
会社として意識しているのは経済になりますが、自社で取り扱っている商品も最終的には捨てられてしまうので、環境も意識しています。環境を意識した商品でないと売れないと思っています。環境と経済を意識したものづくりをすると、アパレルだけではなく他業界や学校とも繋がりができてきますし、広く連携できるのではと考えています。これからはSDGsを意識しないとどの企業も生き残れないと思います。今、コロナ禍でみんな苦しんでいると思いますが、逆に今がチャンスと捉えて、駆け上りたいと思っています。海外企業は環境に対してスピード感があるので、何もしなければ勝てないです。環境に配慮した商品を作ってブランド化していくことが重要だと思います。

生き残るためにはSDGsを意識した経営判断と社内外へのアピールが重要


■どの部署がSDGsの活動を推進していますか?
中小企業の場合は、絶対に社長がやらないとダメですよ。社員に任せていると取り残さる一方だと思います。今、何が注目されるかといえばSDGsです。SDGsは経営する上で知っておかなければならない事ですし意識しなければならない事だと考えています。取り組むにはお金もリスクも掛かるので、SDGsを意識した経営判断をしなければなりません。また、取組み内容を社内外へアピールすることが重要だと考えています。SDGsに取り組めなければ生き残れないと思います。

■社内の従業員や社外の取引先をうまく巻き込む工夫は?
当社では社員が名刺交換した方にメルマガを配信しています。メルマガは毎週1回、担当部署を交代しながら配信していますが、コロナ禍になって、プライベートな事よりも商品についての記事を書くようにしましたが、その際にSDGsを絡めたような記事を書くことで社員の意識も高まると思っています。また、快適多機能素材COVEROSSⓇ(カバロス)を取扱うhap株式会社の社長にお越しいただき、社員への勉強会をオンラインで開催しました。社外向けとしては、繊研新聞や繊維ニュースに取り上げていただいたり、機関紙である「おおきに通信」に掲載したりしています。
2019年5月頃のおおきに通信にSDGsについて掲載しましたが、当時は何これ?ってよく言われました。ですが、この1年で大きく変わったと思います。取り組まないといけないという意識にはなってきました。ただ、具体的に経営方針を決めて商品開発をしている企業はまだまだ少ないと思います。

おおきに通信
店舗内の説明文

■活動の推進が難しいと感じている点はありますか?
17項目の中には日本では現実的でない項目もあるので、すべてに取組むのは難しいと思います。得意先に関しましてはもともと価格で勝負されているような企業は少なく、意識の高い企業が多いので、推進が難しい部分は少ないです。大手アパレルの方が意識が高いと感じています。

取り扱う全ての商品を環境に配慮した商品にしたい


■2030年に向けて今後目指すべきものは?
取り扱う商品すべてを環境に優しい商品にし、その商品を使用して自社製品やOEM製品を生産したいと考えています。それを海外に向けて販売をしていきたいです。東京や大阪ではない場所に拠点を持ち、意識の高い方々と連携して商品開発を行うことで生き残り、今とは違う立ち位置を目指したいと思っています。今、SDGsに取り組まなければ会社は潰れます。阪急電車がSDGsのマークを付けて走っている世の中なのに、会社が知らずに今までとおりの経営をしていると必ず取り残されてしまいます。海外、特に中国は早いですので、今、これに取り組まなければ生き残れません。SDGsを意識しておかないと2030年は来ないと思います。

■これから関西ファッション連合に期待することは?
このように取材していただける事で自分もSDGsへの取組の意識が高まります。それとどんな企業がどんなことをしているのかは知りたいですね。今後も当社の取組みの後押しをお願いしたいです。

■取材者あとがき
インタビュー中に何度も「SDGsに取り組まないと生き残れない」という言葉が出てきました。社長の強い想いと行動が従業員にも伝わり、社長を中心に社員一丸で活動されている姿勢が新しいビジネスを生み、SDGsの輪をさらに広げていくことに繋がっていると感じました。取材協力ありがとうございました。