■会社概要

商号    株式会社リンド
代表  代表取締役 近藤 卓司
設立  2022年1月
従業員数 3名(2022年8月現在)
事業内容 インド製品輸入販売

■取材日:2022年8月18日

LINK INDIA インドと結ぶ!


インドとのビジネスに携わり約30年。生活の基本となる「衣」「食」「住」プラス「健康」をテーマにインドビジネスに専門特化されている株式会社リンドさまの取り組みについて、代表取締役の近藤卓司さまにお話を伺いました。

■SDGsアクションの取り組みのきっかけは?
当社は長年培ったインド貿易を背景に、日本のお客様の様々なご要望に応じてインドの最適なメーカーをマッチングし、コミュニケーション、生産管理、検品、輸入など、お客様へのサポートを中心に事業を行っています。その中でお客様にはインドの文化や商習慣、生産背景への理解を、またインド側には日本のマーケットや感性への理解を、相互に深めて頂けるよう努めています。
ただ、以前からそれが大量生産、大量廃棄、薄利多売のアパレル、雑貨製品の生産サポートになっているのではないか、常に価格を訴求するビジネスは結果的に日本のアパレル業界を苦しめていて、価格競争は必要ではあるがエンドユーザーはそこまで求めているのか、などの疑問を感じていました。また大量廃棄をしない為にオフプライス店を出口として活用するなどの仕組みを全否定はしませんが、業界にとっては昨今の目指すべき姿とは真逆の姿ではないかと感じていたところ、インドの展示会で「PROJECT1000」を手掛けている企業と知り合い、そのコンセプトに共感したのが今回の取組みへのきっかけです。インド専門商社として、これをお手伝いすることができれば、少しでも先ほどの疑問に対してアクションを起こすことができると考えました。

貧困からの経済的な自立を支援し、健康的で持続可能な生活へ


■御社はSDGsに対してどのようなことに取り組んでいますか?
インドのテクノクラフト社グループは地域農村部の女性の経済的自立支援を目的として、現地の紡績・生地工場から排出される端切れや廃棄品を利用してハンドクラフト製品を作るプロジェクト「PROJECT 1000」を立ち上げ、2か月間の製作技術のトレーニングから製品開発、品質管理、販売支援までを行っています。当社はその趣旨に賛同して、日本国内向けの商品開発・販売支援を行っていきます。
またそれとは別に、以前からインドの自然素材を活かした手作り製品やオーガニック素材、草木染原料などを手掛けていましたので、今回の取組みはその延長になります。

PROJECT 1000のマーク

「PROJECT 1000」の意味は貧困(マハラシュトラ州農村)の情勢に技術を習得させ、一日1000ルピー(現在約JPN¥1,700)を稼いでもらうことを目的とし、同時に働き手のモチベーションの向上を図ることであり、実際にそれを実現している。

工場内での指導風景1
工場内での指導風景2
カラーコーディネートされた手作り製品
バック
ランチョンマット
リビング小物
工場内の廃材を活用
作業風景
丁寧な手作業で

■現在の取り組みは17テーマの内、どの番号に該当しますか?

■SDGsへの取組みにより、どのような変化がありましたか?
今始まったばかりなので、具体的な効果はまだでていませんが、関心はあるのか反響は上々です。一般でもSDGsへの関心が高まるにつれ、今まで扱ってきた自然素材も含め展示会への出展機会も増えると思うので、より沢山の方に「PROJECT1000」を知って頂き、少しでも多くの製品を販売できれば現地のワークショップで働く人たちの自立支援になるため、今後に期待したいです。また、従来から手掛けている草木染の染料や色々なオーガニック素材の販売にも注力していきます。

草木染
染料キット
オーガニック素材

■SDGsアクションの推進について課題と感じていることはありますか?
率直にいって、現在のところはSDGsのアクションをすればするほどビジネス(利潤追求)はできないと思います。どこかでバランスをとらざるを得なければならないと考えていますが、それが解決すべき課題かと思います。いずれSDGsへの取組みが会社全体に好影響を及ぼし、持続可能なビジネスに繋がる事を期待しています。

■SDGsの推進に際し、関西ファッション連合に期待することはありますか?
具体的な内容ではありませんが、ひとつでも多く販売できるように「PROJECT1000」のコンセプトを広げる支援をしてもらいたいです。

■取材者あとがき
会社を設立された時期とコロナ禍が重なり大変な状況でスタートされましたが、30年以上インド貿易一筋で仕事をされてきた実績と信頼関係で、日印双方にしっかりとしたコネクションを築かれていることが、お話を伺っていて良く理解出来ました。 また、遠い外国・異文化でも地球規模のSDGsへの思いは同じだと再認識させて頂きました。今後の日本にとって最も重要な国の一つであるインドとの友好関係が、SDGsを通して益々広がることに期待したいと思います。取材協力ありがとうございました。

※(KanFA事務局)
取材中に、今年の10月25日・26日にKanFAと大阪商工会議所が共催する「エコ・エシカル展」をご紹介し、出展されることになりました。この機会に「PROJECT1000」を多くの方に紹介するお手伝いをしていきたいと思います。