■会社概要
商号   テンタック株式会社
代表   代表取締役社長 橋本惇巨
創立   1972年(昭和47年)10月
従業員数 434名(2019年12月末日現在)
事業内容 衣料副資材の企画・製造・販売及び情報システム、
     情報タグの製造販売バーコード関連機器販売

■取材日:2021年1月12日

世界唯一の特許技術でCO2削減に取り組んでいます


衣料副資材の企画・製造・販売と情報タグを取り扱うテンタック株式会社さまの取組みについて、営業本部 副本部長の支倉常雄さま、企画マーケティング部 部長の村上慶彦さま、西日本営業部 部長の川村勝司さま、副部長の河合博明さま、滑川泰平さまにお話を伺いました。

■SDGsアクションの取り組みのきっかけは?
当社の取引先企業さまで5~6年前からラベルの粘着面に添加することで、焼却時にCO2の排出を抑制できる技術との出会いがありました。当時はまだお客さまの方でも環境に対して関心が高い時期ではありませんでしたが、この技術をラベル以外のフィルム製品でも上手く転用することができないかと考え、東京理科大学発のベンチャー企業と共同開発を始めました。
その結果、プラスチックの生産時にこの素材を3%添加することで、焼却時のCO2を約60%削減できるフィルムパッケージが誕生しました。これは世界でも類を見ない日本独自の特許技術であり、透明度や強度などプラスチックの良い面はそのまま維持されます。また機能性マスターパッチ方式を採用したことにより、僅かな量を加えるだけでイニシャルコストがほとんどかからず、様々な業界のプラスチック製品を安価にエコ化を実現することが可能になりました。
当社ではこの技術「グリーンナノCO2 OFF」を2019年からカタログにも掲載し、販促活動を強化。日本発、燃やしてもエコなプラスチックとして取引先企業への提案を行なっております。

グリーンナノCO2 OFF ロゴ

■御社はSDGsに対してどのようなことに取り組んでいますか?
具体的な製品例としては、ハンガー、フック、パッケージ、ゴミ袋、レジ袋、バック、保護カバー、値札シール、サイズシールなどを展開できますが、採用事例としては、GMSやSPAなどの商品パッケージ、大手スポーツメーカーの輸送用パッケージなどに採用されております。これらの商材については「グリーンナノCO2 OFF」のロゴを掲載することで、消費者への啓蒙にも取り組んでおります。
さらに紡績メーカーさんと組んでポリエステル繊維の原料として、また化粧品容器メーカーのボトル原料としても供給を行なっており、製品、原料の双方で温室効果ガス削減に具体的な貢献をしています。これらの取り組みを17のテーマに照らし合わせてみると、7番「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」、9番「産業と技術革新の基盤をつくろう」、12番「つくる責任つかう責任」、13番「気候変動に具体的な対策を」、14番「海の豊かさを守ろう」、17番「パートナーシップで目標を達成しよう」に該当する活動であると認識しています。特に17番については、紡績メーカーや化粧品容器メーカーさんのものづくりの工程で原料から採用いただくことで、当社だけでは出来ない拡がりのある活動に繋げていくことを目指しております。

大手スポーツメーカーに採用された輸送用パッケージ

■環境、社会、経済の中での重点と考えているのは?
すべての項目が重要なものであると思いますが、現時点では「グリーンナノCO2 OFF」の技術が環境について貢献しているものと考えております。当社の主要な取引先であるファッション産業はサスティナブルについて大変関心が高い業界ですので、ここでの採用を拡げながらも、非アパレルの分野への提案もさらに積極的に行なっていきたいと思います。
また、当社のもうひとつの主力事業であるRFIDについては、自社のスケールメリットを生かして従来品に加え、金属やアクセサリーやリネンなど各々に対応したRFID、基材として使っていたフィルム部分を紙に変えるなどした環境配慮型RFIDなど、様々なラインナップを設けてRFIDの普及スピードを上げていく計画を立てております。このことにより情報処理のスピードが格段に上がりますので、業務や在庫のムダがなくなり結果的に経済や社会にプラスの影響を生み出せるものと確信しています。

RFIDシリーズ

営業部が一体となってSDGsに邁進しています


■どの部署がSDGsの活動を推進していますか?
当社では、主力商材である副資材を扱う営業本部が主幹となってスピード感をもった活動を推進しています。また企画マーケティング部が情報ハブ機能を持つことにより、個々の営業が掴んできた情報をリアルタイムで共有し、提案活動に活かす工夫も行なっています。このように全社を挙げて活動が推進できる背景には、社長がそもそもSDGsへの意識が高いこと、常に現場の状況をしっかりと抑えていること、があると感じています。これからも営業本部が主幹となりながら、お客さまのトレンドに敏感に反応して参りたいと考えています。

■社内の従業員や社外の取引先をうまく巻き込む工夫は?
我々の扱っている副資材は生産工程の中では一番最後の工程で必要なものになりますので、活動が後手に回らないよう、企画マーケティング部からサンプルブックの閲覧ができるような環境を作ったり、最新キーワードについて社内イントラネットで共有できるような取組みを行なっています。情報のスピードと活動のスピードを共に高めていくことで社内、社外をうまく巻き込んでいきたいと考えております。

■活動の推進が難しいと感じている点はありますか?
やはり環境以外の社会、経済については、今後強化していきたい課題であると考えています。具体的にはテーマ1から6までの項目にある、貧困、飢餓、健康と福祉、教育、ジェンダー平等、安全な水とトイレといったものです。
ちなみに当社の生産拠点は8割が海外になっており、具体的には中国、タイ、ベトナムなどに拠点を持っています。今度さらに海外での生産拠点を展開する際に、途上国における衛生環境や教育環境など、まだ達成できていないテーマにも積極的に取り組んでいきたいと願っています。

17のテーマ169のターゲットすべてを意識していきたい


■2030年に向けて今後目指すべきものは?
先ずは環境をメインにしながらも17のテーマ、169のターゲットを意識して幅広い活動を推進していきたいと思います。「脱プラスチック」という言葉に代表されるように、まるでプラスチックが悪者のような印象が拡がっていますが、プラスチックの可能性を正しく評価いただき、我々が提供する技術を使うことでプラスチックの活用と焼却を正しいサイクルで回していけるよう取り組んでいきたいと思います。

■これから関西ファッション連合に期待することは?
コロナ禍はアパレル業界にも大きなダメージを与えています。このまま元に戻るということではなく、各社にとっては新たなビジネスモデルの開発が必要だと考えています。サスティナブルな視点をもった企業が集まり、お互いが持っている技術を紹介したり、ビジネスマッチングできるような場を作っていただけると有り難いと思います。その際は当社も是非プレゼンテーションのステージに上がりますので、是非よろしくお願いします。

■取材者あとがき
プラスチックの対応に注目が集まる中、たった3%の素材投入で焼却時に最大60%の二酸化炭素の削減ができるという技術はとてもユニークなものであると感じました。またパッケージの供給だけに留まらず、原料レベルでも製品メーカーと組んで新たな素材を生み出す発想力と行動力に期待が膨らみます。取材協力ありがとうございました。