■会社概要
称号     株式会社クラボウインターナショナル
代表     代表取締役社長   西澤厚彦
創業     2010年 7月(平成22年)
※クラボウテキスタイル㈱・㈱クラボウアパレル・㈱アップライズを3社統合
設立     1973年 8月(昭和48年)
従業員数 227名(9月30日現在)
事業内容 各種繊維工業品・加工ならびに販売

■取材日:2020年 9月30日

クラボウグループの環境意識の高さを踏襲し、取組みをスタート


クラボウグループの繊維専門商社として、素材の開発から縫製までグローバルなサプライチェーンを構築し、消費者に喜んで頂ける新商品開発にも積極的にチャレンジされておられる株式会社クラボウインターナショナルさまの取り組みについて、マーケティング室の内田淳さまにお話を伺いました。

■SDGsアクションの取り組みのきっかけは?
きっかけとしては世の中の流れと、クラボウグループの環境に対する感度が高かったことが影響しています。そして世の中で環境負荷を減らそうとかリサイクルを推進しようなどの声が大きくなってきたこともあり、取り組む方向に進みだしました。

村上事業所の紹介記事
竹田事業所の紹介記事

■御社はSDGsに対してどのようなことに取り組んでいますか?
衣服の縫製が当社の生業なので、その縫製に関係することに取組んでいます。例えば、海外駐在員事務所を通じて協力工場に縫製の仕事を発注することで雇用に貢献したり、歩くことの大切さや健康寿命の維持を、動きやすく急な雨でも安心の当社オリジナルのウォーキングウエアでフォローしています。それに、他社の活動を参考にするためSDGs関連のセミナーや講演会に出席したり、当社のSDGs活動をホームページに掲載し周知しています。

①パワーウォーキング
パワーウォーキングとは、モスクワオリンピックの50キロ競歩の金メダリストであるドイツのガウダー氏が考案したスポーツウオーキングです。ランニングはちょっと・・、でも散歩では物足りないという方にピッタリ。パワーウォーキングは健康寿命の維持に最適なスポーツウォーキングです。そこで我々は、このパワーウォーキングを行う人をサポートするための最適なウェアを開発、パワーウォーキングブランドを販売し、人生100年時代の健康的な生活をサポートしています。

②ルナセル
パワーウォーキングとは、モスクワオリンピックの50キロ競歩の金メダリストであるドイツのガウダー氏が考案したスポーツウオーキングです。ランニングはちょっと・・、でも散歩では物足りないという方にピッタリ。パワーウォーキングは健康寿命の維持に最適なスポーツウォーキングです。そこで我々は、このパワーウォーキングを行う人をサポートするための最適なウェアを開発、パワーウォーキングブランドを販売し、人生100年時代の健康的な生活をサポートしています。

③インドネシアでの雇用促進
インドネシアに縫製の自社工場を持つことによって、しっかりと技術を継承しつつ、さらに向上を図り生産を進めていくことによって雇用を促進しようと考えています。これは自社工場だからなせる業だと考えています。

④新興国への技術支援
バングラディシュやベトナム等の新興国で商品を生産しています。残念ながらコロナ禍で現在は行くことができませんが、従来は2ヶ月に1度程度ですが日本から技術員が現地に入り、縫製を発注している協力工場に技術支援をしています。継続して技術支援することで縫製技術が向上し、技術が向上することで安定した品質でのものづくりが可能となり、継続した生産活動が可能となります。そのことが現地の雇用維持や安定した生活につながると考えています。

⑤ループラスへの挑戦
クラボウのループラスは、生産工程で発生する裁断クズなどを回収し、反毛、開繊して再び糸にします。その糸を使って織物や編物にする、それがループラスのリサイクルシステムです。生産工場は廃棄・焼却をしなくて済むので、廃棄物削減とCO2削減に繋がり、SDGsの活動に直結します。生地以外にもノートやメモ帳にもしています。そのループラスを活用し、当社は持続可能な循環型社会を目指し商品作りを進めています。

■環境、社会、経済の中での重点と考えているのは?
全部ではないでしょうか。社会、経済が安定するための一つとして環境配慮が必要だと思っています。地球温暖化が原因と言われる異常気象が引き起こす災害や、暖冬・冷夏などで起こる様々な社会問題、そんな環境問題の解決のため、未来を活性化させ社会、経済を安定させるためSDGsの取組みが必要だと思います。

■どの部署がSDGsの活動を推進していますか?
会社全体でSDGsに取り組んでいますが、推進している部署といえばマーケティング室になります。

■社内の従業員や社外の取引先をうまく巻き込む工夫は?
取引先については、とにかく安定した品質と決められた納期を守る事です。そんな基本的なことを地道に行う事がお客様の信頼を獲得する事になり、そのことが新たな受注につながります。その受注商品を海外の協力工場に継続的に発注することで、技術支援や雇用促進を行い、品質向上を目指すということに尽きると思います。従業員については、新聞記事で周知したり、ホームページにアップして情報提供に努めています。メディア取材やホームページを更新することがSDGsの周知には大切だと考えています。

■活動の推進が難しいと感じている点はありますか?
新興国への技術支援は惜しみなくやっています。それは品質向上させるため、利益を上げるため業務として必然的にやらないといけないことです、そのことがSDGsの活動「8働きがいも経済成長も」につながることと考えています。同様に業務の一環として行う技術支援や商品展開などは自ずとSDGs推進につながります。
一方、推進活動が難しいこともあります。例えば「5ジェンダー平等を実現しよう」「6安全な水とトイレを世界中に」などはSDGsの活動を何かやりましょうとなった時、業務とは異なるためなかなか進まないと思います。

無駄をなくして廃棄物も無くしていきます!


■2030年に向けて今後目指すべきものは?
廃棄物の削減と再利用に取り組みたいと思っています。工場内での廃棄物も再利用できるような仕組みが必要です。10年後、マーケットは変化しているかもしれませんが、このSDGsのような流れは変わるものではないと思っています。当社は服を作っている会社であり、素材メーカーに直結している会社なので、SDGs的な考えをリマインドして、無駄なことをしない。これに尽きると思います。

■これから関西ファッション連合に期待することは?
今回、当社のSDGsの取組みを取り上げていただきましたが、こういった組合活動を知った企業はSDGsについて調べる気になると思います。調べる気になると様々なところで情報を入手していきますし、自社でも取り組まないといけないという気持ちになると思います。これは繊維業界にとってSDGsに取り組むためのすごくいいきっかけになると思いますよ。SDGsの啓蒙に関西ファッション連合様の仕掛けを期待します。

■取材者あとがき
世の中の動向に刺激を受け、自社でも何か取り組まなければと、身近なことから海外の生産工場まで様々な活動を日々行っておられます。より活動を広げていくためには意識を持って自分ごとにして取り組むことがポイントだと思いますが、クラボウインターナショナル様のように日々の仕事の中で毎日取り組んでいることを少しずつパワーアップしていくことが重要だと実感しました。取材協力ありがとうございました。