■会社概要
商号  株式会社NFL
代表  代表取締役 川辺友之
創業  1952年
設立  2004年4月
従業員数 4名
事業内容 紳士フォーマルアパレル販売
SDGs担当者: 光杉奈央

■取材日 2020年12月7日

「SDGs de 地方創生」ファシリテーターになり、多くの人、多くの企業さまへ伝える活動を展開。まずはコミットメント!SDGsを宣言することからスタート


1952年創業の羅紗屋(生地問屋)をルーツに持つ大阪谷町紳士フォーマルアパレル販売、株式会社NFLさまの取り組みについて代表取締役の川辺友之さまにお話を伺いました。

■SDGsアクションの取り組みのきっかけは?
当社は長年紳士服店を経営していました。毎年毎年、生地メーカーからオーダースーツ用のサンプル生地台帳(バンチブック)が届くのですが、シーズン終了後に破棄する事に対して「もったいない」、このバンチブックのスワッチ生地で何か作れないかとずっと考えていました。
2019年3月に大阪青年
会議所の友人に誘われ「2030カードゲーム」というSDGsをカードゲームで体験できるイベントに参加しました。カードゲームを体験し「これがSDGsか」と頭の中だけでなく体で体感し、実際に具体的なプロジェクトを実行しなければSDGsではないと思い、バンチブックのスワッチ生地で何かを実際に作ってみようと思いました。
また、SDGsカードゲームの内容は大変面白く更に勉強したいと思い、同年の7月に「SDGs de 地方創生」公認ファシリテーターの資格を取得しました。翌月の8月よりSDGsカードゲームの勉強会を開催しSDGsを広げる取組もしています。参加者は大手企業、教育関係者などで、意識の高い方が多く、新たな繋がりが出来ました。中小企業の方にもSDGsを勉強してもらい、それを説明できるまでになっていただきたいと思っています。

SDGsかるた

サンプル生地をアップサイクル!ウーリーベアプロジェクト


■御社はSDGsに対してどのようなことに取り組んでいますか?
バンチブックのスワッチ生地でテディベアを作る「ウーリーベア」プロジェクトをやっています。私の名刺にはSDGsの項目、8番、11番、12番を記載しています。8番はリモートワークを増やし、子育て中のお母さんにも働きやすい制度を作っています。在宅制度はコロナの前から取り入れています。11番はクラウドファンディングを活用し空き家、古民家の再生、まちづくりなどをおこなっています。12番は「ウーリーベア」プロジェクトです。

■環境、社会、経済の中での重点と考えているのは?
環境と経済に重点を置いています。環境は12番「作る責任・使う責任」。バンチブックのスワッチ生地を破棄するのではなく、スワッチ生地を利用してテディベアを作成し、SDGsの教材として子供たちにプレゼントをします。また経済は8番「働き甲斐も経済成長も」。障がいのある方や小さい子供を育てていて家でしか仕事ができない方に、在宅でテディベアを作ってもらおうと、今、東京支部と大阪支部で女性グループを集めています。

■どの部署がSDGsの活動を推進していますか?
代表直轄で担当社員を決め、社員も巻き込んで推進しています。「ウーリーベア」プロジェクトは社員にも好評でSNSなどで積極的にアピールをする準備をしてくれています。

■社内の従業員や社外の取引先をうまく巻き込む工夫は?
女性のコミュニティにこの「ウーリーベア」プロジェクトを説明し、テディベアを作り報酬を得られるようになりたい女性を募集し、リーダーには各地の支部を作ってもらいながら賛同者を増やしていっています。また全国のテーラー、オーダースーツ屋さんにもお声がけをしてスワッチ生地を集める取組も準備を進めています。

■活動の推進が難しいと感じている点はありますか?
「ウーリーベア」プロジェクトに関しては、可愛いテディベアを作ることが難しく、また、価格が通常のぬいぐるみより高価になる点が課題です。現在は可愛いテディベアを作る為にプロの作家さんにサンプル作成を依頼しています。今後はウーリーベア作りを学べる教室を作り技術を身に着けた方に作成していただくなどを検討しています。当初、クラウドファンディングでの販売を予定していましたが、すべて1点ものの手作り作品になるので、その販売方法についても改めて検討をしています。

ウーリーベア
同じものは一つとしてない個性的なウーリーベアたち
ウーリーベアのYoutube動画

■2030年に向けて今後目指すべきものは?
テディベアだけでなく、スワッチ生地で作れるものの幅を広げ、また、学生さん、専門店、百貨店、大手GMSなどにも参加いただき、アップサイクルの輪を広げていきたいと考えています。

■これから関西ファッション連合に期待することは?
アパレル業界にたくさんあるスワッチ生地を使ってのアップサイクル商品をブランディング化して、他の繊維関連団体さんも巻き込んで日本中に広げていきたいと思っています。その活動のサポートをして欲しいです。17番「パートナーシップで目標を達成しよう」ですね。KanFA組合員とも一緒にやりたい、ウーリーベアに参加したい企業やデザイナーを募集中です。

■取材者あとがき
様々なプレーヤーを集めアップサイクルという一つの文化を広げる活動はとても魅力的です。課題はたくさんありますが川辺社長の湧き出るアイデアと熱い思いでひとつずつ実現されることを期待しています。取材協力ありがとうございました。