■会社概要
商号  コロナマルダイ株式会社
代表  代表取締役社長 森澤章雄
創業  1941年2月
設立  1957年
従業員数 15名
事業内容 芯地の製造及び販売

■取材日:2020年11月18日

女性活躍から土に還る芯地までこだわりを持って推進中


芯地の王様コロナエースのブランドでアパレル各社に芯地を提供するコロナマルダイ株式会社さま。外からは見えない芯地をベースにどんな取り組みをされているのか代表取締役社長の森澤章雄さまにお話を伺いました。

■SDGsアクションの取り組みのきっかけは?
2019年に仕入れ先であるシキボウ株式会社からSDGsについて紹介をいただき、それをきっかけに本を読んで勉強を始めました。もともとヨーロッパ向けの芯地の販売においては素材や環境対策などの規制が厳しかったので、SDGsの主旨を学ぶことで改めて持続可能性について考える機会となりました。

■御社はSDGsに対してどのようなことに取り組んでいますか?
先ず当社では以前から女性活躍という視点で、上海、ベトナムなど海外拠点のマネージャーは女性を登用しています。現地では自国語に加えて、日本語、英語も含め3カ国語が必要となりますので、優秀なスタッフであること、広い人脈を持っていること、そして何よりも丁寧できめ細やかに業務をこなすことなどの条件を考えると、自然と女性に活躍していただくという選択となりました。
同じように本社においても課長は女性が務めておりますし、そもそも男女で昇進、昇格、給与の差は何も設けておりません。そのような意味では5番のジェンダー平等を実現できていると考えております。

そして芯地については、その素材として不織布、織物、編物を使用することが多いのですが、合成繊維ではなく植物繊維に切り替える取り組みを行なっています。具体的にはシャツであればポリエステル65%、綿35%、ブラウスであればポリエステル100%、パジャマであれば綿混など対象となる商材に合わせて色々な組み合わせがありますが、出来るだけ再生ポリエステルと植物繊維を使用するようにしています。このような取り組みは12番のつくる責任つかう責任に繋がるものと認識しています。

また生地に芯地を接着させる際の溶剤についても、天然由来のものを使用することで環境に配慮した加工を実践しています。とはいえ自分自身では化学の知識が乏しいため、わからないことは出来るだけ大手メーカーに問い合わせてみたり、大学の先生に教えてもらうなど、知識を深めることで正しい提案が出来るように努めています。

コロナマルダイの見本帳

■環境、社会、経済の中での重点と考えているのは?
社会課題の中では特に教育の中に道徳を持ち込むような活動に取り組みたいと考えています。それは今の教育の中に道徳が欠けているように感じているからです。父が鹿児島の出身でもあり薩摩の郷中教育にも関心がありました。これは年長者が年少者にものごとを教える仕組みですが、単に知識を記憶するだけの教育ではなく、なぜそうなのかという理由を知ることで一度学んだことを忘れないような教育が必要だと感じています。

洋服の良し悪しを決める芯地を企画段階から考えます


■どの部署がSDGsの活動を推進していますか?
私が自ら情報を集めてどんな提案ができるか試行錯誤しています。素材メーカーさんからは日々新たな技術を活かした提案が出てきますので、芯地屋としてアパレルメーカーさんにどんな提案が出来るのかを考えています。芯地の良し悪しによって、出来上がった洋服の良し悪しが決まったり、逆にクレームに繋がることもありますので、企画段階からデザイナーやパタンナーさんとも知恵を絞りながら共に取り組んでいきたいと考えております。

■社内の従業員や社外の取引先をうまく巻き込む工夫は?
これについては逆にどのようにすれば良いかを教えていただきたいテーマです。例えば展示会で訴求するために提案用のパネルを作成するなどの工夫はしていますが、まだまだうまく巻き込むまでは至っておりません。引き続き幅広く情報を集めて取り組んで行きたいと思います。

展示会で掲示した提案パネル

■活動の推進が難しいと感じている点はありますか?
まだSDGsを切り口にした商談はビジネに繋がりにくいと感じていますので、さらなる啓蒙活動の重要性を感じています。日本の市場だけで今後の成長を考えるのは難しいと思いますので、東南アジアやインドなど、今後成長が期待されるアジア市場に展開するためにも次のステージを考えたものづくりが求められていると思います。

「ミラノ」に並ぶ「せんば」ブランドを目指して


■2030年に向けて今後目指すべきものは?
次なる東南アジアの市場に向けて、2025年の大阪万博をきっかけにできればとイメージしています。大阪の船場地域は、イタリアの「ミラノ」のように大阪の「せんば」がブランドとして注目されるだけのポテンシャルは十分持っていると思っています。今だけを見るのではなく次の市場をしっかり見据えて日々の活動を進めて行きたいものです。

■これから関西ファッション連合に期待することは?
弊社は元々近江商人の流れを組み、三方よしの精神で商いを行なっています。売り手よし、買い手よし、世間よしの理念はそのままSDGsにも通じるものがあると思いますので、大阪のせんばがその強みを活かし、SDGsに邁進しているということを広く内外に伝えて欲しいと思います。
関西ファッション連合のSDGsテーマである「パートナーシップで廃棄削減に取り組む」ためには、まさしく愛着を持って長く使ってもらうことも大切です。コロナ禍で若い世代の考え方もサスティナブルに変わってきたと思いますので、組合員の意識をしっかり高めていただけることを期待しています。

■取材者あとがき
芯地は外から見えないけれどシャツ、ブラウス、パジャマなど普段我々が着ているものを内側から支えてくれていることを知る機会となりました。まさに縁の下の力持ちという存在ですね。見えるものだけでなく見えないところからもSDGsに取り組む姿勢はとても大切ですね。取材協力ありがとうございました。